2023.09.16〜18白馬岳〜唐松岳

メンバー:じゅんじゅん、ピグ、よっしー

天気:1日目 晴れのち雨
  2日目 晴れ
  3日目 晴れのち曇り

コースタイム
《1日目》
9:10栂池ヒュッテ
10:20天狗原
11:14乗鞍岳山頂
12:00白馬大池山荘
13:35小蓮華山山頂
15:05白馬岳山頂
15:25白馬岳頂上宿舎到着
《2日目》
5:00白馬岳頂上宿舎出発
6:35杓子岳山頂
7:50鑓ヶ岳山頂
8:45天狗山荘
10:00天狗ノ大下り
11:15不帰一峰
12:00不帰二峰北峰
12:50不帰ニ峰南峰
13:45唐松岳山頂
14:00唐松岳頂上山荘到着
《3日目》
8:30唐松岳頂上山荘出発
9:15扇雪渓
9:50八方池
10:35八方池山荘到着

《1日目》
前日から夜行バスで長野駅へ。

そこから予約したタクシーに乗り、栂池ロープウェイへ。タクシー代は13000円ほど。思ったより安くてよかった〜。

長野駅ギャラリー
栂池ロープウェイ

お天気も上々、白馬乗鞍岳、白馬大池と、順調に登り進める。

白馬大池
一面チングルマ(綿毛)

残念ながら、小蓮華岳山頂に着く頃にはガスで覆われてしまいました。

そして、白馬岳もやはり真っ白。
証拠写真(笑)

明日に期待しよう!と進むと、斜面に人だかりが。雷鳥でした!つがいで一組。

一日目から幸先がいい!と喜んだのも束の間、ぽつりぽつりと雨が。。。
慌てて、雨具を装着していると雷も。
稜線上にいたので、岩陰で体を丸めていると、再び雷鳥が。
彼らだけは嬉しそう。
小屋までもう少し。雷が遠のいたようだったので、その隙に移動します。
びしょ濡れで小屋到着。受付を済ませて、食堂で休みながら雨の落ち着くのを待ちます。
が、なかなか止まない…。食堂はびしょ濡れの登山者でどんどん埋まっていきます。
そして、みんなテントを張る隙を待ってるようでした。これは先陣を切らなけば、場所取り合戦に負けてしまうっ!!意を決して、雨の中テントだけを持ってダッシュ!!
水溜りになってる区画もあったので、水捌けのようさそうなところを選び、2人がフライを広げ、その下で1人が組み立てる。言うのは簡単だけど、そう上手くはいかない(^-^;
まぁまぁ濡れてしまったけど、ひとまず場所は確保できたのでよしとしよう。
他の荷物も運び込んで、中で荷物整理。いろんなものがびしょ濡れで難儀しました。
(これもいい経験か。)
通り雨だと願うも、結局19時ごろまで降り続きました。
晩御飯はピグ考案のフライパンで草鍋。雨で濡れた身体が暖まる。火の通りも早いし、ガスの節約にもなって、パーフェクトメニューだ!雑炊はアルファ米1袋に乾燥えのきを追加してカサ増し。3人で十分な量が食べれました。

明日の不帰嶮へのエネルギーチャージ完了!!

《2日目》
3時起床。外は満天の星空!今日は好天が期待できるぞ!!急いで支度です。

白馬岳頂上宿舎とテン場

ちなみに、今年の北アルプスは水不足。唐松山荘ではペットボトルの水やその他飲料の販売すらできない可能性があるとのことで、ここ白馬で3日目下山までの水を担ぐことに。さらに、昨日の雨でいろんなものが濡れて重い。そして、この重いザックがこの日の私達を苦しめることに…。
テン場から稜線に上がると、目の前にはどこまでも広がる雲海と、その先にご来光!!

朝からテンション⤴⤴⤴

昨日の雨で落ち込んだ気持ちなんて一瞬でどこかへ行ってしまう。いや、むしろ、感動が増す!!昨日の雨まで感謝(笑)
そして、まずは杓子岳と白馬鑓ヶ岳へ。

杓子岳への直登がきつい。(今振り返ると、前菜のようなものだったけど)
白馬鑓ヶ岳からは振り返っておっきな白馬岳を眺める。白馬岳は本当に大きいと実感。
最高の天気、最高のパノラマ、最高の稜線歩きが続く。

白馬鑓ヶ岳から振り返って白馬岳と杓子岳
白馬鑓ヶ岳から唐松岳方面を望む(右手には大きく尖った剣岳)

天狗山荘でひと休み。
この先は、いよいよ天狗の大下りと不帰嶮です。

!!帰宅厳守!!

天狗の頭を過ぎ、不帰嶮が間近に見えてきた。
ますば天狗の大下り。ここから、ヘルメットを装着。

岩場とがれ場の下りが300m続く。本当に長くて、気が抜けない。そして目の前に続く次の登りに心が折れる。なんともすごい地形。

コルから振り返って見上げた天狗の大下り

この辺りから、3人とも登りの足取りが一気に落ちた。ザックの重さがこたえる。100mほど登りをおえて、まずは不帰一峰。次の不帰二峰までが今回の核心部だ。

目の前に大きな岩の裂け目にしがみついて登る登山者が見える。あれか…。再び気が引き締まる。
鎖場が続き、ハシゴ、再び鎖場、再びハシゴ…。決して下を見てはいけない…。

想定していたルートだけど、重たい荷物で思うように身体が動かない。キツかったぁ。
そして、なんとか不帰二峰北峰に到着!!

ここまで来れば唐松岳まであと少し。なんだかほっとする。
が、南峰へ進んでいると、前方パーティのガイドさん(後でわかった)が遠くに声をかけはじめた。それに応えるように、遠くから人の声が聞こえる。なにを言っているか分からないけれど、明らかにSOSだった。ガイドさんが再び大きな声で、動かないように、ヘリが来るから、と伝える。再びSOSの声が聞こえる。こちらの声が聞こえているのか分からない。前から来る数名が1時間ほど前に消防や警察に捜査依頼したことを聞き、ガイドさんを交えて互いに情報交換をしていた。私達はただただそれを傍観し、その場を離れるしかありませんでした。
少しするとヘリが来たことで、その時は安堵しましたが、翌朝もヘリが飛んでいて、結局、この日から3日後の夜に無事救助されたことをニュースで知り、心からほっとしました。
遭難は決して他人事ではない。常に危険と隣り合わせ。その上で登山を楽しむ。そんな当たり前の言葉を初めて実感した、そんな経験でした。
唐松岳山頂は多くの人で賑わっていました。
八方から唐松岳のルートはツアーやファミリー登山にも人気のようで、子供達の声が響き渡り、山の雰囲気も一気に変わりました。

唐松岳山頂から唐松小屋を望む

唐松岳頂上山荘のテン場は、急な斜面につづら折りに設けられています。
小屋から離れるほど下らなければならず、トイレ(小屋)に行くのに息が上がります。皆さんもご注意を(^-^;
テン場が確保できたので(ちょっと遠かったけど)小屋前で今日の健闘に祝杯!
さらに、テントに戻って小屋で調達したワインで乾杯(2度目)!!

今晩はじゅんじゅんが用意してくれたThe Small Twist Trailfoodsのミートソース、生春巻きの皮、じゃがりこで作ったマッシュポテトを層にして作ったラザニア。最下層と最上層にはたっぷりのチーズを敷き詰めて!
さらに、大変な思いで担ぎ上げてくれたバゲット、パプリカ、サラミも添えて、おしゃれな晩御飯完成です!

スパイスの効いたミートソース、もちもち食感の生春巻きの皮。マッシュポテトやチーズの塩味も疲れた体に沁みる〜。2日間、美味しい晩御飯をご馳走様でした!!

《3日目》
この日は3時間の下山のみ。
朝はゆっくり5時に起きて、まずは小屋裏の高台まで登ります。(起き抜けの登りはきついっ)
で、測ったかのようにご来光!

朝日に照らさてた唐松岳とその奥に立山・剣岳

この日の雲海も素晴らしく、遠く富士山もくっきりと見ることができました。
一頻り満喫したところで、朝のコーヒータイム。周りの人もほとんど居なくなり、改めてゆっくり景色を眺めながら、極上のコーヒー(インスタント)を頂きます。
昨日まで頑張ったご褒美を頂いているような朝でした。
テントに戻って、今度は朝ごはん。これもテントの前でのんびりと。
本当に景観の良い山小屋でした。(テン場はお勧めできないけど。)
小屋に別れを告げ、下山開始。

昨日のルートが一望

本当なら気持ちの良い稜線が続くのですが、この日は雲が多く、あっという間にガスの中へ。
とはいえ、登りも下りも人は多く、八方池辺りからは観光客も増え、登山道は更に賑やかでした。
そして、無事、八方池山荘に到着。もちろん、ここで登山は終了!!お疲れ様でした!!
リフトに乗ると、楽ちん過ぎてみんな笑いが止まらない(笑)

うさぎ平ではバーガーを外のチェアでいただき、無事ゴンドラで下界へと戻ってきたのでした。

改めて振り返ると、この山行は、もともと白馬岳〜朝日岳の予定でした。
が、出発前日に朝日岳山荘が急遽閉鎖されたことが分かり、転進で決めた計画だったのです。
天候も含め、今回ならこのルートに行けるんじゃないか、と3人の判断し、華麗なる転進を遂げることができました。(自画自賛)
じゅんじゅん、ぴぐ、計画やテン場の予約、食料計画…ほんとにありがとう!!
いろいろと経験することの出来た充実の3日間でした!

写真/全員  文章/よっしー